褒めてばかりではなくきちんと叱る
子育てをしていて難しいのが叱るタイミングです。
今どきの育児書ではまるで子供を叱ることそのものが悪であるかのような書かれ方がされていることもあり、言うことをなかなか聞いてくれない子供に対してどのように接するのがよいのかがわからなくなってしまいます。
しかし子供をきちんと育てる責任を負う親にとっては、褒め方と同時にしっかりと叱るということも技術として身につけておく必要があります。
誤解のないように説明をしなおすならば、子供を叱るというのは決してすべてが悪というわけではなく、場合によっては全く叱らないという教育をしていくことの方が子供の将来にとっては悪い影響を与えます。
褒め方よりも場合によっては難しくなる叱り方を今一度考えなおしてみましょう。
やってはいけない叱り方について
上手な叱り方を説明する前に、やってはいけない叱り方についても説明をしてみます。
過去の子育てにおいて悪いものとされてきた「叱り」とは、子供のやることを頭ごなしに否定したり、親の感情にまかせて怒鳴りつけるような方法のことをいいます。
子供を叱るタイミングとしては、やってはいけないことをしてしまった場合がまずあります。
ですがそうではないとき、例えば親の思う通りのやり方をさせようとして従わなかったときのように親の気に入らない行動をとったにも、つい感情にまかせて子供を怒鳴ったりしてしまいがちです。
実はそうした親の気分の振れで叱ったり叱らなかったりするということは、非常に子供の心理に悪い影響を与え、のちの人格形成に問題が生じる原因になります。
理由としてはまだ善悪の基準がわからない子供に対して、大人のその日の気分で同じことをしても怒ったり怒らなかったりするということを体験させると、本当に何がいいことで何が悪い子とかを理解できずに大人になっていってしまうからです。
よく公共の場でモラルのない行動をとっている大人を見かけますが、そうした人はあるいは子供の時期にきちんとした叱り方を受けてこなかったのかもしれません。
子供のことを思って叱ることが大切
叱り方のテクニックといっても、一様にこうしなくてはいけないとかいうことは実はありません。
その時の状況により、声を荒らげずに諭すように怒ることがよいかもしれませんし、場合によっては怒鳴ることが必要になったりもします。
さらに世間的には絶対悪のように言われる子供に手をあげるということも、時と場合をかなり限定するもののそうせざるを得ないことがあるでしょう。
どのような方法にするにしても、まずはその叱りが子供のことを本当に思ってやっているかどうかということが一番の根幹に関わる問題になります。
なぜ怒られてしまったのかを理解できるように説明し、どうしなければいけなかったのかを提案しながら叱るようにすることは、親にとっても心を落ち着かせて行動を省みる一つの機会になります。