勉強だけでは子供は育ちません
学歴社会の現在においては、英才教育のためにかなり小さな時期から本格的な受験勉強をさせている親の方もいます。
有名幼稚園クラスになるとそこに入学するためには事前にたくさんの勉強をしたり、面接対策のために練習をしたりしないといけません。
またスポーツや語学も幼い時期に初めることでより成長が早くなるということもあるので、就学前から分刻みのスケジュールで行動をしないといけないような生活をしている子供も少なくありません。
確かに将来のことを考えれば時間いっぱいを使って役立つ内容の勉強をぎっしりさせたいと思うところなんですが、実際のところそうした勉強「だけ」の生活というのは長期的にはあまり本人のためにならないことが多くなってしまいます。
極端な例えですが、有名大学を出て一流企業に入ったものの全く常識がわからず上司の指示を理解することができないトンデモ新入社員がいたりしますが、そうした人の多くが子供の時から勉強しかしてこなかったのではないかと思います。
将来のことはともかくとして、子供の時期に勉強ではない身の回りのことを経験させておくということは必ず役に立つ能力になっていきますので、ぜひ子供に積極的にお手伝いをさせていってもらいたいです。
お手伝いをして身につく心の力
よく「生きる力」といった言葉が幼少教育で聞かれますが、これは自分で身の回りのことをしたり、周囲の人と上手に付き合っていったりするということで培われる能力です。
子供にお手伝いをさせようとすると、最初は面倒がってやりたがらないということもあるかもしれません。
ですが子供というのは基本的には好奇心が強く、大人の真似をしたがるものなのでそこで上手に作業を割り当てていくことで自分なりのやり方を見つけていくことができるはずです。
子供のお手伝いで大事なのは、いきなり結果だけを求めないということです。
当然ですが生まれて初めて行う作業をいきなり大人と同じクオリティでできるようになるわけがありません。
掃除をしても細かいところを見逃したり、時には誤ってものを壊したりしてしまうこともあります。
そんなときにはいきなり頭ごなしに叱ったりするのではなく、話を聞いてどうしてそんなふうになったかということを聞いてそこから一緒作業をしていくようにしてあげてください。
子供はお手伝いをするときには単純な家事作業のスキルだけでなく、仕事をするということのコツや、親との対話といった能力を全般的に身につけることができるのです。
できればそのときだけで終わらせない
子供のお手伝いをさせるときには、その瞬間だけで終わらせるようにはしないでできるだけ継続的にさせるようにしてもらいたいです。
その時だけというお手伝いでもいいのですが、できるだけ毎日玄関掃除やお風呂掃除のような一つの担当を与えてそれをずっとさせていくようにするとよりお手伝い効果が高くなります。
継続して家事をさせることで家族の一員としての責任感が培われますし、自分の事情でサボることができないという厳しさを感じることができます。
つい子供がサボったときには親がしょうがないとばかりに代行してしまいたくなりますが、そんなときにもなあなあにしないで一緒に最後まで手伝いをしてあげてください。